9/23(土・昼『髑髏城の七人season風』1回目(と髑髏城について思うこと)

花の経験から、先行では後半しかとってない風髑髏。
http://www.tbs.co.jp/stagearound/kazedokuro/
狙い通りに土日のチケットが戻ったので、8月末の鳥センター8列目以来約1か月ぶりの豊洲へ。
13列目センブロ端っこなので、関係者席開放かな。
まだ10公演目くらいで、これから色々と変わるのだろうけど、1人2役ということもあり「スタンダードなつくりだなー!?」という髑髏城でした。
アオドクロがベースという印象(アカをあまり覚えてないだけかも)。

鳥1回目みたいな「うわー、これ苦手なやつ~(>_<)」というのはないけど(鳥も最終的には楽しめた^^)、物語も演出も薄め。 花・鳥が設定盛沢山かつキャストもその場をガーンと支配しちゃうようなパワフルさで(とくに天魔王と贋鉄斎が)濃かったので、ギャップに困惑してる。 でも松ケンに捨之介メイクがめっちゃ似合っててかっこいいので、ライビュと後半で1,2会行く予定。 以下ネタバレあり

■いろいろ
・アオドクロ
全体的にアオっぽいと思う。

・いろいろ省略や変更
鳥髑髏の時に「端折りすぎ!!」とキレてたけど、何度も見るとそのほうが楽なのも事実。
捨之介に仮面をかぶせるシーンが鳥髑髏で無くなってテンポが良くなったのは風でも継続。
(でも花のあのシーンは、天魔王の「天魔の地獄絵図を」が耳に残る重要イベントなので残すべき←髪をくるくるしつつ)

平形源右衛門→極楽が脱ぐ下りに食傷気味だったので、あのあたりの演出が変わってたのもよかった。

・映像
スクリーンに使用する映像は、花→鳥ほどではないけど進化した感じ。
ただ、氷艶にもあった役者さんの顔のどアップは萎えるからやめてほしい。
その後で”顔をさらして先陣に立っていた天魔王”が会話に出てきて、天魔王と捨之介の顔が同じことの前振りと分かったけど、スクリーンでお手軽に済ませるとダサいんじゃないかなー。

・着ぐるみ
「狸城の七人」…

・影武者設定
「いろいろあったけどもう死んでしまった人と同じ顔」って、すっごい設定よね。
個人的には花捨に影武者設定がついてたら、捨×蘭はかどるんだけどナー
天にかどわかされたり、捨の顔にこっそり色々たぎるものを抱えるやまこー蘭兵衛、最高じゃない!?(あにじゃに妄想を背負わせすぎ)

・くどキッスw
2度もしなくてもwww
あのあたりの蘭兵衛ちょっとわかんないので、ライビュでチェックする。
キスしなくてもよかったと思うけど、しなかったらますます蘭兵衛が謎だったかもしれない。

・回転数
1幕終わってトイレにダッシュして驚いたのが「花鳥と出口が違う!!!!」
今までは彼岸花畑で幕だったけど、月はさらに荒野セット(髑髏城門前という風)に移動して幕。
なるほど、そこも変えるのか…。

・殺陣
鳥との落差がすごい(笑)。
百人切りはワカドクロのストレートにかっこいいのが好きだなあ…。

◆捨之介/松山ケンイチ
『蒼の乱』と月髑髏を見た印象としては、松ケンは陽の役者さんだなあ…という印象。
真面目で(!)おおらかなな捨之介。

小栗旬も細いと思ってたけど、さらに細かった。
小栗捨は褌だった(んだよね?楽行ったけどカテコの裾めくりby天魔王は見えなかった)けど、松山捨は猿股なので側転したり、なにかとあんよ大サービスだった。
(小栗捨も相当ぎりぎりまで出してたけど…あそこまで出して見えなかったんだから、猿股ではないはず)

ああいうメイクで黒髪だとめっちゃ美形だなあ…。
そのかわりに天魔王の時の「~じゃ」に違和感があるのは、私が見慣れてないせいのか。

◆贋鉄斎/橋本じゅん
鳥でさらにお笑い担当としてはハードルが上がった贋鉄斎。
松ケンはサダヲさんではないので孤軍奮闘になっちゃう工房シーンが、やや冗長に思えた。
でもあの轟天的動きと謎の可愛らしさはじゅんさんならでは。

捨之介に今の名前を問うところで「L?」って訊くの反則w
ついでに乗ってる馬は黒魔鬼w

◆兵庫/山内圭哉
やっぱり山内さんが兵庫って違和感あるw
頭が良さそうで、ワルそうな兵庫だ。
(最初のシーンはその悪そう、髑髏党にいそうなのを逆手に取った見せ方かな?)
蛮幽鬼厨なので、じゅんさんと絡むシーンを見てうれしくなっちゃう…。

◆無界屋蘭兵衛・森蘭丸/向井理
棒という噂を聞いていて、さらに番宣番組でのトークを聞いてもアレな感じで不安だった向井理。
やっぱり棒っぽいし、ビジュアルもそこまで?と思ってたんだけど、彼岸花シーンのビジュアルは大正義だった。
揚羽蝶の羽が墨1色で大きく描かれているの、華美すぎなくていいなあ。

なんにせよ、ワカドクロの早乙女太一が蘭兵衛殺陣のハードルを上げちゃったので(やまこーさんも殺陣できる人だったし)大変だ。
過去の髑髏城シリーズではアオドクロの蘭兵衛の出来が酷いのでは?と思ってるんだけど(ただし髑髏城シリーズで最もいちばん儚げで、ビジュアルも好みなので許せる)、生で見た人の意見を聞いてみたい…。

◆極楽大夫/田中麗奈
小池栄子→りょう→松雪泰子からの田中麗奈で、軽めの極楽大夫だなーと不安だったけど、最初の無界屋や衣装が美しかったのですべて許せる気がした。
「武則天」のファン・ビンビン様のようだ…。

◆沙霧/岸井ゆきの
花鳥に比べると、沙霧自体の重要度が下がった印象。
役者さんはぷにぷにしててかわいいし、悪くないとは思う。

◆狸穴二郎衛門/生瀬勝久
生瀬さんの舞台を見るのは初めて。
思ってたよりイイ人っぽくて、アクのない狸穴だった。

これまでの約7年に1回ペースではなく、1年に5(6)バリエーションとなると、ついつい前のシリーズを引きずってしまって、まっさらな気持ちで見るのは難しく、演劇反射神経を試されているような気がする。
『髑髏城の七人』は2011年のワカドクロ本公演が初見だったので、ワカ以前の1人2役のほうが私にとってはイレギュラー。
天魔王が小者っぽいのがデフォで、その屈折ぶりを楽しんでたところがある(鳥天おいしゅうございました)。

1人2役で書かなかった・書けなかった部分を、捨天を別役者に割り振ることで深化してきたのがワカドクロ以降だったんだな。
・1人2役になると3人同時に顔が見せられないから、描ける関係性に制約がある
・アカアオ天魔王は、役者的にもスパダリ総攻め…ナチュラルボーン帝王な天魔王。けっして自らの無謬性に疑いを抱いたりはしない。
どちらが先にあったかは卵と鶏みたいな気もするけど、勧善懲悪かつ悪役には複雑な背景が存在しなかったのが1人2役天魔王だったのだと思う。

ただ、それは物語としては古さを感じるところでもあり。
ヤマトとガンダムの差異みたいな?
いのうえ歌舞伎的なものの脚本って、蛮幽鬼あたりから方向が変わったと思ってて。
 #蛮幽鬼の魅力的なとこは、「魔王や亡霊、鬼ではなく人間が人間のまま、大悪党でもなく、恨んだり裏切ったり殺したりする」ドラマ性だと思う。
ワカドクロはまだちょっと動機はわからないけど、少なくとも絶対的じゃない天魔王だった。
鳥髑髏の天魔王は絶対的じゃないどころか一番弱くて屈折してる天魔王だった ※1・2

なので、ここにきて戻ってきた1人2役天魔王に物足りなさを感じてしまってるのだと思う。
しかも松ケンは良くも悪くも線が細くて繊細に見えて、それは、1人2役天魔王とは相性が悪そうだなあとも感じてる。
捨之介も、陽気かつ真面目なのが今までの捨と毛色が違ってかっこいいけど、アオっぽいシーンが多いからなーんか違和感w

というのが、とりあえず1回目での感想。
もうちょっと公演数を重ねたら変わるのか(変わるのは彼らか)。
2回目以降を見たら何かをくみ取れるのか(変わるのは私か)。

※1
…森山未來すげーな!!
 #あの天魔王には絶対的な殿が必要だと思うので、染天魔王×未來蘭で未來さん(の演じる役)幸せになって?
いや脚本はかずき先生だけど…でもあてがきだし…
髑髏城、そんなに好きでもなかったんだけど、花で陥落して、鳥風に至って、こんなバリエーション楽しめるのすごいよ!!!

※2
花髑髏?いやあれほんと分かんない…5歳児なのか何なのか…宣伝ビジュなんてヒゲなのに(当時ルキーニ@エリザベートをやっていたせいらしい)。
かわりに蘭兵衛がめっちゃ色々背負ってて苦しい蘭兵衛だったね。
(鳥蘭はあそこで髑髏城に行かなければ幸せなままだったように思う…なんで覚醒しちゃったの…そして騙されてたことを知るとか…)
風も蘭兵衛の濃密さで補ってほしかった気がする。

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