12/22 『スリル・ミー』松下洸平×柿澤勇人(ネタバレあり)

※スリルミー未見の人は、絶対にネタバレを読まずにまっさらな状態で観たほうがいいです。

成河私の、怯えたような、恐ろしいけれども来たるべきものを待ってもいるような最後の「Thrill me」は観ていて「え?」と思ったんだよね。
彼を独占したくてやったことならば、そこでそんな表情になる?
この期に及んでもまだ「Thrill me(私をゾクゾクさせて」と言う…彼以上にスリルを求めていた…の…?
だとしたら、彼が彼でなくても良かったりするの…?

いやいやいや、あの福士彼を前にしてそれはないよー。
あんな彼、そりゃ独占したいじゃん。
(一方でそもそも愛があるなら、そのセリフである必要がある?という疑問も…〆として考えればいいのかな)

やはり別ペアも観ないと、スリルミーについて語れないのでは?と思ったので、松下洸平×柿澤勇人ペアも当日券に並んできた。
(2回目に無事成功し、あまりにもいい番号を引いた…すみませんすみません)
私・松下洸平さん、彼・柿澤勇人さんは、どちらも初見の俳優さん。
柿澤さんはデスノートなどに出てるのは知っているんだけど、どちらかというとお顔が苦手なタイプで…(すみません)。

やはり私語のない静寂とともに舞台の幕が開き(比喩。このセットに緞帳的なものはなくて、ずっと幕は開きっぱなし)、後ろから聞こえてくる足音は松下私のもの。
そうか、成河さんもこんな感じで下手通路から出てきたのだな。

で、観ての感想。

ミュージカルだ!!
青春だ!!
このペアの間には愛がある…!!!!!!!!!!!!

いやー…こんなに別物だと思わなかった。
柿澤彼は体格が良くて、19歳というよりも立派な弁護士に見えるくらい。
めちゃめちゃ良いお坊ちゃんでプレップで、普通に社会生活を送れてそう。
きっと弟はナードで全然できが良くないのに、お父さんがそっちを溺愛するのでやさぐれてるんだかわいそう(妄想)。
でも基本的にいい子なので、マッチはちゃんと受け取れる程度に放り投げてあげる(ちゃんとキャッチする松下私)。
対する松下私も、ちょっと地味な優等生といった風で、あ、リアル等身大男子っぽい組み合わせじゃん、と。
(もちろん女性である私には、実際に等身大かどうか知りようがないけど)
ロードスターシーンの手袋もざくっとはめる(1回目福士彼の時はいつ手袋をしたのか見落とした)し、
キスする仕草も美しすぎない、自意識過剰じゃない雑さ。
このペアはお互い同じタイミングで服を脱いで掲げて床に落とすので、対等というか、ある程度向き合ってる…彼は彼で私をそれなりに思っている印象を受けるので、ラストで指を組んだ手に光を受ける松下彼が清らかに見えて、きっと彼を真摯に愛していたんだろうなと。
だからきっと動機は独占欲。
我々(?)一般人の日常からちょっと外れたくらいの話で、理解しやすい(理解できる解釈に落とし込むことの是非はある)。
納得。

実際、予告動画も、心理ゲーム要素を押し出した成河×福士ペアとは違って、「愛」と言ってる。

でもそれで最後に「Thrill me」って言う?
ここがちょっと不思議で…。

他に違いを強く感じたのは、どちらもセリフの延長上っぽく歌い始めるものの、松下柿澤ペアは、MAXでかなり歌い上げに寄ること。
これは予告?動画を観たときから察してはいたのだけど、ミュージカルの「唐突に歌でテンションが変わる」のが苦手な身としては、BLテイストも含めて、成河さんを好きにならなかったら観に行かなかっただろうな。
うん、でも面白かった。
ちゃんと「幼なじみ」って感じだし、「共犯者」なペアだった。


  • タイトル:Thrill Me
  • 会場:東京芸術劇場 シアターウエスト
  • 会期:
  • web:
  • 出演者:松下洸平,柿澤勇人,(ピアノ・落合崇史/underscore)
  • 鑑賞日:218/12/22
  • 書いた日:

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