古典×現代2020―時空を超える日本のアート

忘れないうちにざっくり感想。
特に下調べもせず行った。
行くにあたって事前予約が必要だけど、当日でも空きがあった。

■仙厓×菅木志雄
現代のほうは、岩(や木や金属)を円状に配置したインスタレーション。
わかるような分からないような…。
この企画展は全ての組み合わせに作者コメントが掲示されていて、「仙厓で何か作れ」というテーマの与えられ方だったように読めたけどどうなんだろう?

■花鳥画(若冲)×川内倫子
あんまり分からなかった!
カラフル描写いまむかし、みたいな?

仙崖のひとは外からお題を与えられて製作したように見えたけど、こちらはすでにあるものを後から組み合わせたように見えた。
映像の中の、燃えているようように見える液体を掬っては壁のようなものに打ちかけているのはお祭りか何か?なんだろう?

■刀剣×鴻池朋子(美術家)
これも刀剣と「日本刀で皮を切って作品を制作している」って切り口が謎。
謎なんだけど、作品のグロテスクな雰囲気が合ってた。

皮緞帳という、牛革を繋いで作った大きなカーテン状のものに、クレヨンでちょっとグロテスクな絵が描かれている。
2枚のその緞帳(もともとは繋げて展示するものらしい)の間を、幼児の生首が振り子のように行き来している謎演出(音付き)だけど、その面積と質感が心地よい感じ。
鴻池さんはアーティゾン美術館でも個展をやっているらしいので見に行ってみようかな。

■円空×棚田康司
円空=粗削りな木仏、くらいの認識だったので、現代のほうの作者のコメントを興味深く読んだ。
(作者は円空に影響を受けているらしい)

ひとかたまりの木材から仏像あるいは任意の一体を彫り出す一木造って、その時点であまりにも情緒的な物語ができすぎてる。
木彫をまとめて見たのって、舟越桂さんの個展以来かも。
つるつるにした部分も綺麗だけど、鑿の痕が残って水面の揺らぎのようになってるところが好き(雪平鍋のようでもある、というと台無しか)。
銀髪の像がよかったなー。肌の部分に白を薄く塗ってある。髪は銀髪。
木彫は祈り。

■仏像×田根剛
今回一番好きなのはこれかなー。
日光菩薩月光菩薩の周囲に覆い付きの照明が吊り下げられ、光量が調節される。背景に流れるのは天台声明というインスタレーション。
そういえば一般人が見ている仏像は主に博物館美術館の調整された照明と空調の中や、せいぜいが寺社の拝観時間9-17時ごろで、普段から身近にあるのはまた違う感覚なんだろうな。厳冬期や朝夕の勤行、明るくはない本堂。
唐招提寺御影堂にある東山魁夷の襖絵もあの場所で見るのが好き。
開山忌に行っては絵に背を向けて庭を見てるので、絵の鑑賞ではないかもしれないけど。

いま調べたら(キャプションのコメントしか読まなかった)、田根さんは建築家らしい。
わー…してやられた感がある…(笑)。

■蕭白×横尾忠則
蕭白へのオマージュ云々的なコメントがあったので、そのあたりを読み解けたら面白かったのかもしれない。

■乾山×皆川明(ミナ・ペルホネン)
尾形乾山は好きじゃない。

■北斎×しりあがり寿
古典との融合度(が見た者に伝わる度合い?)はナンバーワン。
上手いなあ、面白いなあ、と思いながら見た。
北斎とそれをパロディにした絵が並んでるけど、本歌取りのほうだけ見て分かる教養に憧れるぜ…
(この”ぜ…”は、「憧れる!そうあるべき!」の威勢の良さはないぞ、という”ぜ…”です。ちょっといいよね、くらいの)

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