新国立劇場『反応工程』

『反応工程』 戦時中が舞台の作品、貧乏だし鉄拳制裁だのの古臭い価値観が横行してるのを観るのが割とつらくて、 つくづく現代に生まれて良かったと噛みしめることになるけど、そういう価値観・行動様式が実は全然いまも息づいてることも同時に気づいてしまうので、やはり陰鬱な気持ちになる。 フルオーディションと聞い

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NODA MAP第24回公演『フェイクスピア』

野田秀樹の頭の中はどうなってるんだ…?? 綺麗な言葉の花びらがたくさん降るな〜と眺めてたら、ある瞬間にそれが血や骨・肉塊に変わって、それらは最初から花びらなんかじゃなかったんだと気づいたのが『キル』(2020年にベルギー演劇祭?の配信で見た)。 今回も、シェイクスピア劇とイタコの口寄せの言葉の煙に巻

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コクーン歌舞伎『夏祭浪花鑑』5/28夜

祭りのお囃子を聞くと思い出す記憶、あれは蒸し暑い嫌な夏でしたね…と重い口を開いて語るような舞台だった。 殺しの場面の陰惨さと、その後の団七宅での空々しい会話の緊張感に、思わず手を握り締めてた。 名月八幡祭や伊勢音頭といい、お囃子をBGMに殺しを見せるって、様式美にしてもちょっと屈折したものを感じるし

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『スリル・ミー』松岡広大×山崎大輝ペア (5/5高崎、配信)

良い意味で裏切られたペア。 実年齢が近いのは、やっぱり大きなアドバンテージだと思う。 今回の3ペアの中ではいちばんスタンダードで、見やすいと思った。 ■5/5高崎芸術劇場 松岡広大×山崎大輝 23歳×25歳のペア。わかい!! 松岡くん→髑髏城の七人(下弦の月)で見た。下弦は1度(+LV)しか見てない

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練馬区美術館『電線絵画』

4/3(土) 練馬区美術館『電線絵画展ー小林清親から山口晃までー』

月岡芳年と岸田劉生と碍子が展示してある企画展すばらしい。 ガイシだよ!?(しかも個人蔵がある) 電柱・電線って、思ってるより昔からある。 そもそも「思う」というほど意識していないかもしれないけど、銀座線は1927年(昭和2年)開業だし、電信回線の敷設は1869年(明治2年)。明治!?みたいな。 北斎

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2021/1/24 ミュージカル『パレード』(再演)

石川禅さんや坂元健児さんの歌が大変に魅力的で「ミュージカルにおける歌うま=説得力だよなあ。現代でもこうやって巧みに扇動する人がいるんだろうな」と思って見てたけど、まさにそここそがキモだったのかも。 そしてオープニングとエンディングで出てくるのは群衆であって、レオやルシール、ドーシーといった個人は出て

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『石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか』

凄いボリュームだった。 多岐にわたる分野で活躍した個人の回顧展ってそうそう行われるものではないから、貴重な機会だと思う。 アカデミー賞博物館の衣装や個人像の資料なんて、そうそう借りて一度に並べられるものじゃない。 原則として事前予約制だけど、キュレーターさんが当日券もそれなりに用意しているととツイー

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11/16『フリーコミッティド』@青山クロスシアター

2020.11.23追記 今回のほうがきれいなクリスマス前の小話としてまとまってる、とでもいうのかな。 2018年の初演は真夏の公演だったけど、今回これを観て、外に出たらクリスマスのイルミネーション…というシチュエーションは悪くない。 成河さんにはそういうのを求めているかどうかはともかく。 前回はビ

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7/1『Defiled』DDD青山クロスシアター

「こうしたことを繋いでいくのが、僕たちの責任なんです」 ブライアンの奥さんと電話で話すところだけ、口調が違うの。 偽義経東京千秋楽以来、99日ぶりの劇場。 99日の間に、沢山のステージが延期や中止になって、その間に過去の舞台作品の映像配信やライブ配信があり、これから幕が開くお芝居でも配信をやるケース

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