シネマ歌舞伎『阿弖流為』

※物語についての感想はありません
月イチ歌舞伎2019のリクエスト上映作品に選ばれたので、1年10ヶ月ぶりに映画館で観てきた。
(投票がぶっちぎり1位だったらしい。髑髏城の七人やプロメアからの需要もあっただろうし、そもそも『いだてん』の勘九郎さんが出てたんだから普通にレパートリーに入れてくれよー)

もちろんBlu-rayは持ってるんだけど、やっぱり劇場で観るのは全然違ってて、何度見ても幸四郎さんに惚れ直せる作品だった。
(そして帰宅して特別版特典の稽古映像や舞台挨拶映像を見て一人お祭り状態)

1997年の幸四郎さん、当時の染五郎さんが観て「これは現代の歌舞伎だ」「一緒にやりましょう」と言った頃の新感線は、およそ梨園のプリンス(笑)が出るようなものには見做されてなかったはずで、「いのうえ”歌舞伎”」という名称を付けるのすらハードルがあったわけで。
それが阿修羅城やアテルイ、アオドクロ、朧の森に棲む鬼と繋がっていって、「歌舞伎NEXT」として松竹創業120周年記念の新作歌舞伎になったのって、すごいことだと思うんですよ。
すでに出来上がってる新感線に客演したのとはわけが違う。
これは、七代目市川染五郎が作り上げたもの、だよね、と。
(これ≠新感線)

単純に舞台上での素晴らしさで言ったら、立烏帽子の七之助さんや、田村麻呂の勘九郎さんが本っっ当に素晴らしくて、出てくださってありがとうございます!と五体投地するしかないんだけど、そもそもその土壌を作った染五郎さんマジすげー!(信者)

(クシャナ殿下よりも鶴妖朶よりも、立烏帽子の七之助さんは、その本領を発揮してると思う)
(勘九郎さんも、あの田村麻呂の陽性のかっこよさがお似合いなんだけど、他の作品では実は無いっぽいね…?)

あと、久々に見て感じたのは、すっごく歌舞伎じゃんねー!ってこと。
手法がどうとかではなくて、とにかく役者がカッコよく見えるステージングに快感しかないな、と。

アイキャッチ画像は公開当時の前売券。
1枚ずつでも買えたけど、そりゃセットで買うし、なんなら公開後に買い足した(シネマ歌舞伎汎用チケットになって悲しかった)。
使い勝手ではムビチケに軍配が上がるけど、紙でこのサイズの愛しさよ…。

余談。
来年のラインナップにも阿弖流為はないんだけど、またリクエスト投票で阿弖流為になったらどうするんだろう?
阿弖流為は何度でも見たいし人にも勧めたいけど、リクエスト枠を毎年埋めるのもなんだか違う気がする。
エース以外の福士誠治@スーパー歌舞伎を観たいので『空ヲ刻ム者』をやって欲しい(舞台としての評価は微妙らしいけど…)。


  • タイトル:シネマ歌舞伎『阿弖流為』
  • 会場:東劇
  • 会期:
  • web:
  • 出演者:市川染五郎(現・松本幸四郎)、中村勘九郎、中村七之助、片岡亀蔵、市村萬次郎、坂東彌十郎
  • 鑑賞日:2020/02/09
  • 書いた日:2020/02/09

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